モーニング娘。はテレビのオーディション企画で生まれたアイドルグループで、タレントでない少女たちがいくつもの課題をこなす「未成熟の一生懸命」の物語に多くのファンが引き寄せられて、やがてヒット曲を連発する国民的アイドルグループに成長した。

 私の印象では「LOVEマシーン」(1999年)からフランスやスペインなどでも注目されたのが最初だったように思う。モーニング娘。は日本のアイドルが世界市場に乗り出す先駆けとなり、それはのちのPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅの世界進出につながったと考えられ、その功績は大きい。

 ところが、肝心のモーニング娘。は、メンバーが交代してパフォーマンス力を上げていくとともに、ライトなファンが脱落して、人気を落としていった。それに取って代わるように、「未成熟の一生懸命」を合理的にシステム化したようなAKB48が人気を博し、やがて日本のアイドル市場はAKBグループに寡占化されていく。

日本流アイドルの
輸出に限界

 AKB48もモーニング娘。が開いた世界市場を狙ったが、うまくいかなかった。それは「未成熟の一生懸命を応援する」というスタイルが日本独特なものであって、世界市場ではあまり通用しなかったことが大きかったと考えられる。

 また、AKB48の仕掛け人である秋元康氏は、世界市場進出失敗後に、AKBの「ビジネスモデル」の輸出に挑戦している。面白い試みであるが、AKBの「未成熟の一生懸命」が通用する国は限られており、インドネシアや中国などでの部分的な成功を除けば失敗だったと言うべきだろう。

 モーニング娘。の道を広げたのは韓国の少女時代である。ハイヒールを履いた「長い脚」で高いパフォーマンスを見せる少女時代は、韓国政府が予算を組んで国家としてエンターテインメントの国際化を狙っていたこともあって、ある程度の成功を収め、アメリカなどのヒットチャートをにぎわすことに成功した。現在、国境を越えて成功を収めるTWICEやBTSの道を開いたと考えていいだろう。