中国景気が回復の勢いを増している。新型コロナウイルスの封じ込めに手間取っている他国を尻目に、世界最大の経済国である米国との差をさらに縮めつつある。中国全土で、飲食店やスポーツジムには再び活気が戻った。地下鉄や空港の出発ロビーは利用客でごった返している。学校再開に当たっても、米当局者が「ポストコロナ時代」に欠かせないとする制限措置のほとんどが中国では実施されない。マスクを生徒に持たせるよう依頼する学校もあるが、着用する義務はない。中国が厳格な抑制措置によりウイルスを封じ込めたことを受けて、JPモルガン・チェースは、中国の今年の成長見通しを4月時点の1.3%から2.5%に引き上げた。世界銀行をはじめ、エコノミストの間でも、中国成長予想の上方修正の動きが出ており、中国は今年、主要国で唯一、プラス成長を確保するとみられている。