自我を超えた
大きな意識へのシフト
阿部:あるだろうね。
こうなった必然の背景には、たとえば環境破壊であるとか、核の問題であるとか、いわゆる男性社会の中で男性マインドが創り出してきてしまった破壊的な結果が、これまでの考え方ではもう人間では処理できなくなってしまっている。
それがまあ、もしかしたら地球という大きな意識が、ここらへんでバランスとんなきゃいけないってことで、こういう流れを作り出してるっていうふうにも考えられますよね。
向:そういうふうに捉えられるよね。
物事というのは、やっぱりそれなりの深い、われわれを超えたところの意味があると思う。
阿部:大いなる意図みたいな。
向:だから、今まで、まあ、今の政府もそうだし、原子力の問題等々を見ても、結局は自我の意識とか権力意識とか、そういうものから全然離れられない、その執着の構造をずっと引きずっている。
実は、その自我の意識を超えた、いわゆるブッダの意識、すなわち宇宙的なその空間的広がりの中で、みんなともに大きなものを生きているんだね、っていう意識にシフトする、それこそまさに悟りなんだけれども、そういうふうにみんなの意識がシフトしないと、もう地球というのはどんなにあがいてみても解決不可能な問題を今、抱えていると思う。
だから、全体的な大きな意識の転換を実現せざるを得ないような歴史の転換点にあるんじゃないかという感じがする。
阿部:ある意味でいえば、この危機がイコール、チャンスである、と。
向:そうそう。危機が変革のチャンスだということ。
なのに、そのままの、今までの状況をもっと続けましょう、というメッセージばかり。
阿部:そうなんだよね。