コーポレートガバナンス改革の
大きな問題点

 さて、こうした状況認識、それを踏まえた具体的な政策を持ち合わせている総裁選候補者はいるのだろうか?

 事ここに至ってもまだ「保護主義は危険」「グローバルに開かれた秩序を」などという寝言のようなことをいっているようでは、この危機的状況下、世界の情勢が大きく転換しようとしている状況下でのこの国の舵取りは任せられまい。

 新自由主義という意味では、アベノミクスの「第2の矢」、成長戦略はまさにこれを進めるものが中心となっており、それらがこの国の貧困化やイノベーションの起きない状況を創り出してきた。

 その一つの中心がコーポレートガバナンス改革である。

 その問題点については、拙稿『「日本の貧国化」をさらに進める会社法改正案、絶対に通してはいけない理由』において解説しているのでそちらをご参照いただきたいが、貧困問題を根本的に解決し、イノベーションを進めたいのであれば、このコーポレートガバンス改革を止めるだけではなく、その源に遡って制度を元に戻していくことが必須である。

 そこまで頭が回る総裁選候補者は、さて、いるのだろうか?

 以前拙稿『コロナ禍のドサクサで進む「成長戦略実行計画」は、日本を破滅させる』で徹底的に批判した成長戦略実行計画なる特定企業の短期的儲けのための軽薄な「プラン」などを引き継ぐようでは、特的企業の私利私欲むさぼり放題、レントシーカーやりたい放題の、開発独裁国に堕するようなものだ。

 まさか、そんな人物が自民党総裁に選出されるなどとは思いたくないが…。

アメリカは
日本を守ってはくれない

 最後に、対米従属深化からの脱却。

 これは次の政権だけでどうにかなるものではないだろう。しかし、少なくとも、「自分の国は自分たちで守る」という当たり前の国防・安全保障感を取り戻すことが重要だ。

 日米安全保障条約であって「日米同盟」ではないこと、同条約には米国が日本を守る義務など記載されていないこと、従って、アメリカは日本が攻撃された際に守ってくれるなどというのは現実的にありえない絵空事である。

 当然のことながら、安倍政権が進めたように「アメリカに付き従えば日本も守ってもらえる」などということは絶対にありえない。単にアメリカに付け込まれ、アメリカの国益のために利用される口実を作ってしまったこと、よって日本は「対等の立場の独立国」としてアメリカとは是々非々で協力し、協調していくことや、すべきことなどをつまびらかにし、国民に説明する。せめて永田町、霞が関の認識を改めていくことぐらいはやってもらわなければいけない。

 そんな話は各候補から出てくるのかどうか…。