米当局が中国軍とのつながりが疑われる中国人研究者の捜索を強化する中、追う側も追われる側も緊迫度が増している。検察当局の話からは、逃亡計画失敗やごみ箱に捨てられた証拠、空港での捕物劇といった生々しい攻防が浮かび上がる。連邦捜査局(FBI)捜査官は今夏、数十人の研究者を尋問し、研究内容や軍との関連を問いただした。ここ数週間、捜査範囲が拡大したことを受け、一部の容疑者は当局の追及を逃れようとし、少なくとも2人の研究者が逮捕された。彼らの研究は中国人民解放軍の計画と関係している疑いがある。検察側の裁判資料でそれが明らかとなった。検察当局によると、うち1件では、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の人工知能(AI)分野の研究者グアン・レイ容疑者が、FBIが捜査中の技術窃取疑惑に関連する証拠を破壊した罪に問われている。グアン容疑者は、ロサンゼルス国際空港から出国するところを止められ、その数日後、データを消去したコンピューターのハードドライブ(HDD)をごみ箱に投棄した。検察側はこう主張する。