ラリー・ミルニック氏(65)は工業地帯のワイオミングバレーで製造や鉄鋼に関連する仕事に就き、人生の大半において民主党を支持していた。しかし、2016年の大統領選ではドナルド・トランプ氏に投票した。今年11月の選挙でも彼を支持する予定だ。そこからおよそ130マイル(約208キロ)離れたフィラデルフィア郊外の富裕層が住む地域では今年に入り、不動産サービス業に従事し、小さな自治体の首長を務めているマット・フェティック氏が、共和党からの離脱を決めた。彼はジョー・バイデン氏に投票する予定だ。ミルニック氏とフェティック氏は、全国で見受けられる政治的立場を変更する流れの一例と言える。米国では、ブルーカラーの白人有権者が共和党支持に移行する一方で、ホワイトカラーの仕事に就く有権者の間では民主党の支持者が増えている。この流れはペンシルベニア州で特に顕著で、昨年には長期にわたる変化が劇的な形で地方政治に表れた。