米電気自動車(EV)大手テスラの驚異的な株価急騰のおかげで、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は近く巨額の報酬パッケージを現金化できる見通しだ。自らも相応の分け前にあずかろうと期待する株主は、マスク氏への報酬支払いでその目算が狂う可能性を知っておくべきだ。テスラのS&P500種指数への採用も、報酬を巡る会計上の影響から一段と大幅な先送りに直面する恐れがある。テスラは2018年、マスク氏に業績と時価総額を組み合わせた目標に基づく報酬パッケージを約束した。これには12のトランシェに分割して付与される2000万株超のストックオプションが含まれる。オプションは株式分割後ベースで1億株に転換可能だ。証券当局への提出資料によると、テスラが時価総額1000億ドル(約10兆6000億円)に達し、株価がその水準を維持した5月に、1回目のトランシェが支払われた。同社はその時点で、マスク氏に当時の株価水準で8億ドル近くに相当する株式を付与。株価はその後に2倍に跳ね上がっており、7-9月期中に他のトランシェも権利確定する公算が極めて大きい。マスク氏はさらに何十億ドルも手にすることになる。
マスク氏の巨額報酬、賄うのはテスラ株主か
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