262.4万円でトスネットが1位
5位まで300万円未満

 今回、平均年収の低さで1位となったのは、本社が宮城県仙台市の警備事業会社トスネット(サービス)で262.4万円だった。前年度比で0.9%増えたが、300万円を割り込む水準となった。交通誘導や施設、列車見張り警備事業を手掛けている。従業員数は148人で、平均年齢は43.7歳となっている。

 トスネットと同じサービス業の企業5社が上位10社に入った。3位のプレステージ・インターナショナルが278.7万円(従業員数2505人、平均年齢37.7歳)、5位のHANATOUR JAPANが293.1万円(同159人、同33.1歳)、8位のウイルテックが312.5万円(同3147人、同38.2歳)、9位の光ハイツ・ヴェラスが314.3万円(同255人、同55.5歳)となっている。

 小売業は2社が入った。4位のショクブンが289.7万円(同496人、同47.7歳)、7位の井筒屋が307.7万円(同846人、同47.9歳)だった。ショクブンは愛知県名古屋市の食材宅配大手、井筒屋は福岡県北九州市の老舗百貨店である。

 一般的に、サービス業や小売業は労働集約的な産業で、日本は欧米の同業と比べて生産性が低い。中小企業の比率が高く、年収が金融やメーカーとの比較で見劣りするため、人材確保に苦労している企業が多い。

 サービス、小売業以外の業種では、水産・農林のアクシーズが266.4万円(同852人、同35.0歳)で2位、ガラス・土石製品の倉元製作所が303.2万円(同113人、同46.3歳)で6位、卸売業の日本製麻が321.7万円(同78人、同46.0歳)で10位と、それぞれ1社ずつ入っている。アクシーズは、鹿児島県鹿児島市に本社がある鶏肉国内大手である。

 倉元製作所は、液晶用のガラス基板加工を手掛けている。事業の低迷で2014年12月期から赤字が続き、18年12月期に債務超過に陥った。昨年12月には私的整理の一種である事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)の利用を申請し受理された。経営再建中の今年4月にトップが代わり、中国出身の時慧氏が社長に就いた。

 日本製麻は、米麦用麻袋や自動車用マットなどを取り扱っている。

 なお、平均年収が300万円を切ったのは5社だった。300万円以上400万円未満は153社に上っている。

 最後に、平均年収400万円未満の158社の業種を確認しておこう。最も多かったのはサービスで57社。小売業が46社で続いた。卸売業は14社、情報・通信が12社、その他製品が5社、化学と食料品がそれぞれ4社となっている。

(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)