高い成果を上げる営業は、誰よりも多くの企業を訪問している営業ではなかった? 日本マイクロソフトが収集・分析する職場データを取材、その成果を『職場の科学』にまとめた沢渡あまね氏が、「営業の真実」を分析する。(本記事は『職場の科学――日本マイクロソフト働き方改革推進チーム×業務改善士が読み解く「成果が上がる働き方」』より、一部を抜粋掲載しています)
膨大な量の職場データから炙り出される
「営業の真実」
成果を上げる営業パーソンにはどのような行動特性があるのか。どのような企業でも知りたいところだと思います。
日本マイクロソフトでは、「ワークプレイスアナリティクス」という自社システムを使って、ホワイトワーカーの働き方のデータを集め、徹底的に見える化しています。このワークプレイスアナリティクスから得られた、ひとつの例があります。図1を見ると、トップパフォーマーは平均的な営業パーソンに比べて「社外の人との共同作業時間」が3.7時間(週)多くなっています。営業ですから、社外の人とのコミュニケーション時間が長いのは容易に想像できるところです。
おもしろいのはここからで、「対応中の案件数」自体はおよそ20案件ほど少なく、「連絡先1件あたりの共同作業時間」は2倍であり、「社外ネットワークのサイズ」も大きい。つまり、営業先1つに対して費やす時間が長いと言えそうです。