中国人とビジネスやプライベートで会うとき、「ドタキャンされた」、あるいは「急に予定を変更された」経験を持つ日本人は多いのではないだろうか。しかも、中国に出張中だと仕事に直接的な支障をきたし、日本人は困惑する。そもそも、なぜ中国人はそんなにドタキャンするのだろうか?(ジャーナリスト 中島 恵)
中国に出張すると
アポがなかなか定まらない
「せっかく中国に来てくださったのに、受け入れる側のスケジュールが全然立たなくて、本当に申し訳ありませんでした」
昨年、中国の大都市を訪れたときのこと。ある中国人の担当者は私に向かって平身低頭、こう謝った。私の訪中を依頼してきたのはこの担当者だったが、前日になってもスケジュールが確定せず、私は中国の空港に到着後、どこに向かえばよいのかさえ、まったくわからない状態だったからだ。
幸い、出発前夜になって、困った私を見かねて別の知り合いが迎えに来てくれることになったのだが、到着後、顔を合わせた担当者から「明日の予定は、今夜遅くにならなければわからないのです」と言われるありさまだった。この担当者は日本留学経験があったので、日本人の気持ちが推察できたのだ。
中国に行き、中国人と仕事やプライベートで会うとき、このように予定が立たなかったり、約束していてもドタキャンされたり、アポイントが二転三転してしまった、という経験を持つ人は少なくない。話には聞いていても、いざ自分がその立場に立たされたら、かなり心配になってしまう。