コロナ禍で露呈した、できる営業とできない営業の「アポどり能力」格差これまでの営業スタイルは通用しない時代になってきた(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新型コロナウイルスの影響は、従来の営業スタイルに大きな変化をもたらしている。これまでのアポイントメントの取り方は不可能になりつつあるが、そんな厳しい状況でも、顧客と円滑にコミュニケーションできる営業もいる。その差は何か、そして、今後業績を上げられる営業の手法を考えた。(AKTANA International LLC プリンシパルコンサルタント 高橋洋明)

コロナ禍で激変
従来の営業活動は難航

 前回は、とある大手企業の営業部長が不適切なリーダーシップを取り、組織を壊しかねない存在となったことを例に挙げ、新入社員は反面教師にして、将来管理職になった時に成功してほしいと伝えた。

 今回は、新型コロナウイルスによって変化した『営業の手法』について、考えたい。

 全業種の営業活動の変化を示すデータは2020年5月15日時点ではまだないが、新型コロナの影響で、従来の対面による営業活動ができなくなった企業が増えているようだ。

 厚生労働省は、感染拡大防止のために、『新型コロナウイルス感染症の大規模な感染拡大防止に向けた職場における対応について(要請)』を発表するなどし、感染対策を啓蒙している。この中では、下記のように、営業活動にも一定の制約が求められている。

●外来者、顧客・取引先等に対し、感染防止措置への協力を要請すること。
●テレビ会議、電話、電子メール等の活用により、人が集まる形での会議等をできる限り回避すること。
●外来者、顧客・取引先等との対面での接触や、これが避けられない場合は、距離(2メートル以上)を取ること。また、業務の性質上、対人距離等の確保が困難な場合は、マスクを着用すること。

 このような背景から、急激に増えている営業ツールが、ZoomやMicrosoft Teamsなどの、オンライン会議システムである。これらの急速な普及に伴い、営業のやり方が多様化しているが、統括する管理職にはさまざまな変化や戸惑いが起こっている。今の大きな変化に際し、皆さんは上司から適切なサポートを受けられているだろうか?