米民主党のカマラ・ハリス副大統領候補が黒人や中南米系(ラティーノ)有権者の取り込みに全力を上げている。ベネズエラ料理店ではスペイン語を話し、伝統的に黒人学生が多い大学も訪問。人気のリズム&ブルース(R&B)歌手2人の仮想イベントにも予告なしで飛び入り参加した。インドとジャマイカ出身の移民を両親に持つハリス氏は、黒人女性として初めて、主要政党の副大統領候補に指名された。ジョー・バイデン大統領候補から指名を受けた8月半ば以降は、移民やマイノリティー(少数派)有権者への浸透に力を注いでいる。バイデン氏は世論調査で、全国的にも多くの激戦州においてもトランプ氏をリードしているが、前回4年前のヒラリー・クリントン候補と比べ、中南米系有権者の間で支持が伸び悩んでいる兆候が出ている。また、前回の大統領選では、黒人有権者の投票率が下がった経緯があり、黒人票の押し上げも課題となっている。ハリス氏がこれらの有権者層の取り込みに注力する背景には、こうした事情がありそうだ。