新型コロナウイルスの影響で保育所や学校に行けない子供の世話をするため、米国では多くの工場労働者が自宅にとどまり続け、それが生産体制の立て直しを図る製造企業にとって新たな課題となっている。受注量や生産量は多くの製造企業で回復しつつある。工場が再稼働し、消費者はリモートワークに必要な電子機器や住宅用備品を購入している。だが一部の工場によると、従業員を絶えず作業に当たらせるのが難しく、それが回復の足かせとなる恐れがある。米連邦準備制度理事会(FRB)が15日発表した8月の米鉱工業生産指数は4カ月連続の増加を示したが、5~7月に比べるとはるかに小幅の伸びにとどまった。フィラデルフィア連銀が8月に行った調査では、同地区の製造企業の半数近くが、子供の世話が制約となり、労働者を一時帰休から呼び戻すことや新規採用することが難しいと答えた。米労働省労働統計局の先週の発表によると、製造業の7月の求人数はコロナ前の水準に戻っている。全米で製造業労働者のどのくらいの数が職場に戻らなかったり、求人に応募しなかったりするのかは明確でない。
子供の世話で出勤できない 米製造業の課題
工場の欠勤率が上昇、回復の足かせとなる恐れも
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