ドナルド・トランプ米大統領と対抗馬である民主党のジョー・バイデン大統領候補は29日夜(日本時間30日午前)、クリーブランドで開催される初回のテレビ討論会に臨む。トランプ、バイデン両氏がここで達成すべきことは著しく違うため、両氏は全く異なる戦略を展開する公算が大きい。トランプ氏は今回の大統領選について、自身ではなく、バイデン氏に対する信任投票と位置づけなければならない。「トランプ氏が討論会への出席に同意するかどうかの議論から数カ月しか経っていないにもかかわらず、今となってはトランプ氏の方がバイデン氏よりも討論会を必要としている」。こう指摘するのは、2012年の大統領選で共和党のミット・ロムニー候補(現在は上院議員)の陣営で首席顧問を務めたケビン・マッデン氏だ。「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応とこれに伴う経済停滞により、トランプ氏は守勢に立たされており、初回の討論会で自身に優位な方向へと流れを変える必要がある」