この日は姿を見せなかったが、メインスタッフの男性Bさんは精神系疾患の診断を受けている。母親との二人暮らしで、引きこもり生活が長かった。「母が認知症にならないかと心配で」、このDカフェに来たのが始まりだった。

 なんということはない普段のおしゃべりが続く。日々の暮らしの中のちょっとした出来事を聞いてもらう。終わりの時間が近づくと、竹内さんが「きみちゃん、お茶碗洗うの手伝ってくれますか」と、認知症の高齢女性に声を掛ける。呼ばれた女性が立ち上がってキッチンに向かう。お互い、気心が知れたお仲間という感じだ。

 野出さんは大手介護会社の社員だが、「ゆるい雰囲気がとてもいい。会社で認知症の講師もしていますが、ここは自然体で本音の付き合いができ、とても勉強になります」と打ち明ける。

 4時にこの日のカフェは幕を閉じ、養老乃瀧店長のジェシーさんがいつものように店を開ける。残った参加者は、居酒屋の客となる。「ではまず、生ビールを」という声で、第二幕が始まる。

 16年1月から続けてきた「YORO」だが、9月の会合が最後になった。コロナ禍で養老乃瀧西小山店が閉店するためだ。