もちろん、そのためには予算が必要になるわけです。しかしたいていの場合、予算はキャンペーンを始めた時点ですでに全額が振り分けられているケースが多いのではないでしょうか。

 これは、きっと上司や役員の決済を何度も取るより一括で取っておいたほうが面倒くさくないというようなサラリーマン的事情もあるのかもしれませんが、デジタルが発達し、かつPRが重視される今の感覚からするとちょっと時代遅れな状況と言わざるをえないでしょう。

 なにしろ、コンテンツや表現に失敗すると炎上してしまうケースもあるわけですから。その時、対応すべき手段は思いついているのに、行動を起こすための予算がなかったらなんともやりきれません。

 ウェブコンテンツをベータバージョンとみなすということは、いつでどこでコンテンツを修正するかわからないということでもあります。ですから、予算のうちのいくばくかはコンティンジェンシープランのために取り分けられてあったほうが望ましいのです。

 予算の話はしばしば、コンテンツ制作やクリエイティブの話と異なるレイヤーだと思われる人が多いと思います。しかし、ソーシャルメディア時代にウェブコンテンツを作っていく上でとても重要な要素なのです。

「ネット広告ガイド―嶋浩一郎インタビュー―」「YAHOO! JAPAN」より
 ※ユーザーの「ココロのツボの見つけ方」など、著者のデジタル・コミュニケーション手法を公開