何を買っても値段が急に高くなったと感じるなら――各国中銀はデフレの危険を懸念しているものの――それは実際に値上がりしているからだ。8月の米消費者物価指数(CPI)は前年比1.3%上昇となったが、日常生活との格差は非常に激しい。普段から買っている商品の価格がはるかに急速に上昇している一方、指標には含まれるが、もはや買うことがなくなった物の値段は下がっている。需要と供給の法則は多くの部分に疑問が呈されているが、法則はまだ機能しているようだ、とエコノミストは胸をなで下ろすだろう。だが投資家にとって、それは市場で恐らく唯一最も重要な問題を巡る見通しを不透明にしている:将来はインフレに向かっているのか、デフレに向かっているのか、あるいはここ10年のような物価低迷が続くのか。