米国の投資家は、今回の米大統領選が過去にあまり例を見ない大混乱の選挙シーズンになるのではないかと見ている。予測不能なイベントの影響が何週間も続き、株や為替などあらゆる市場が乱高下する事態に備えを怠っていない。投資家のヘッジは通常の大統領選前にウォール街が行う範囲を超えている。トレーダーは11月3日の投開票日のかなり先までボラティリティーが続く場合に利益を得られる金融商品を買いあさっている。結果判定が12月までもつれ込む可能性を懸念しているためだ。先物やオプションの価格からは、今や株式市場が不透明な選挙結果が出ることを予期しているのが分かる。集計作業の遅れによるものか、結果への異議申し立てによるものかにかかわらずだ。また米国債や金相場に連動する商品は、11月としては過去最大級の変動があることを織り込んでいる。トレーダーはこう話す。安全資産とされる円に連動するデリバティブ(金融派生商品)にも、4年前の大統領選に比べてはるかに大きな不安が見て取れる。
米大統領選前後の混乱、市場は長期化を想定
不透明な選挙結果に備える投資家
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