ロシアが後ろ盾としてベラルーシ大統領への影響力を強めていることで、北大西洋条約機構(NATO)内では、北東部の「急所」における軍事バランスがロシアに優位な方向に傾きかねないとの懸念が高まっている。26年にわたりベラルーシに君臨しているアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、不正が疑われる先の大統領選で一方的に勝利宣言し、その後市民の間で広がっている抗議デモへの弾圧を強めている。西側諸国はルカシェンコ氏を厳しく批判。米、英、カナダが制裁を準備する一方、欧州連合(EU)も同様の措置を検討している。一方で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ベラルーシの危機に乗じてロシア側の要求に応じるようルカシェンコ氏に圧力を強めている。ロシアはベラルーシに対し、領土内に軍事基地を置くことを認めるよう長らく求めてきた。ルカシェンコ氏はこれまで、ロシアの圧倒的な影響力から自国を守るためEUを利用しようとしてきた。
ベラルーシ大統領を操るロシア、NATOが警戒
ロシア軍がベラルーシ駐留ならNATOの「急所」に脅威
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