一部の企業では、業務に支障をきたす可能性のあるリスクを軽減するため、ロールプレーイング演習のレベルをもう一段階引き上げている。企業は以前から、リスクを理解し軽減するために、シナリオに基づくシミュレーション「机上訓練」を試してきた。だが最近、関税協議や貿易戦争の脅威、地政学的な不確実性、そしてもちろん新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて、そうした机上訓練への関心が一段と高まっている。コンサルティング会社は、企業の業務を混乱させかねない現実的な外部からの脅威をシミュレーションするための訓練の設計・監督を行うことが多い。幹部から平社員までさまざまなプレーヤーが時には何時間もテーブルを囲み、想定される緊急事態に対応し、解決を試みる。プレーヤーが取る1つ1つの行動は新たな、往々にして予期せぬ結果をもたらし、会社全体に波及効果を及ぼす。