そもそもこのプランは、方向性の違う2つの支援がくっつけられたため、いびつな形になっている。その2つの支援とは、「3年で30万人の正規雇用」を目的とした「就職氷河期世代支援」と、「社会参加に向け、個々の状況や家族も含めた継続的な相談」を必要としている「ひきこもり支援」だ。事務局となる都道府県の労働局が、それぞれの地域でプラットホームをどのように構成し、施策の取りまとめを行うのか、筆者は注目していた。

 これらの支援策を取りまとめる都道府県レベルのプラットホームで、熊本県とともに先行的に取り組んできた愛知県では、すでに19年10月に「あいち就職氷河期世代支援プラットホーム」の第1回会議を開催。20年2月の第2回会議で、「事業実施計画」を取りまとめている。

 取り組む内容の中に、「社会機運の醸成」「安定就職」「職業的自立の実現」に加えて、「社会参加に向けた支援を必要とする方への支援」が盛り込まれた。これは、従来の支援の流れを考えると画期的だ。

 ひきこもり当事者団体であるKHJ全国ひきこもり家族会の東海支部「NPO法人なでしこの会」も、県から声がかかって事業計画をつくるプラットホームの構成メンバーに入った。ところが、そこに参加していたのは、経済団体や業界団体などの就労支援系ばかり。「引きこもる人たちがどういう心情や状態にあるのかなど、実態や支援について知っているのは、私たちだけだった」(同会)という。

 そんな同会も、第1回会議のときは都合が合わなかったこともあり、正式に構成メンバーに入ったのは、今年2月の第2回会議からだ。

 一方、愛知県内では19年度中に、38市すべてと、町村部をカバーする5つの地域にプラットホームが設置された。

 各市と地域のプラットホームの構成員は、今年4月1日現在、自立相談支援機関と社会福祉協議会がいずれも39カ所、ハローワークが33カ所、保健所・保健センターが30カ所、地域包括支援センターが20カ所で参加するなど、市町村レベルでは、支援に必要な地域の資源が連携しつつある様子もうかがえる。