デジタル庁ができるようだ。これを機に、政府データの一括管理で、行政の効率化を図るべきである。(経済評論家 塚崎公義)
デジタル庁ができるらしい。期待できることは多いが、本稿では3つの点について期待を記すこととする。
政府の個人データの一括管理、政府の統計データの一括管理、自治体事務の統一である。こうした統一を図る過程で、縦割り行政が見直されることになれば、それはさらに望ましいことである。
個人データを一括管理すべきだ
政府に個人データを管理されたくない、というのは自然な感情であろうが、既に政府が持っている個人情報を効率的に使うことまでは忌み嫌うべきではないだろう。
たとえば筆者が死亡したとして、死亡届が役場に提出されたとする。その情報は、当然に年金事務所に伝わって年金の支給が停止されるべきだろうし、税務署に伝わって、相続税の課税は必要か否かが検討されるべきだろう。さらに、不動産登記所に伝わって筆者名義の登記がなされている不動産について、推定相続人に名義変更を促す通知がなされるべきだろう。
そして、それらのデータは全てマイナンバーにひも付けされ、瞬時に検索できるようになっているべきである。たとえば不動産については登記名義人のマイナンバーを登録しておけば、死亡した人の持っている物件が直ちに判明するはずであるから、税務署の調査にも登記所の催促にも便利である。
筆者の家族にとって大いに望ましいのは、筆者に隠し子がいるかいないかを証明する文書を、筆者の推定相続人に交付することだろう。相続が開始されると、被相続人の戸籍を生まれた時から全て調べて、隠し子の存否を確認しなければならない。後から隠し子が相続の権利を主張してきたら困るからであるが、この手続きが大変面倒なのである。