「デジタル円協議会」が発足
結局、何がどう変わるのか
メガバンクやJR東日本などが、電子マネーやデジタル通貨の相互利用に関する協議会を発足させることになったそうです。デジタル通貨、すなわち日銀が将来的に発行する可能性がある「デジタル円」についても、議論がなされることになりそうですが、そもそもこのデジタル通貨とはいったいどのようなものでしょうか。
ひとことで言えば、これまで紙で発行されてきた1万円札などの紙幣をデジタル情報に置き換えるということです。そのことによって、どのような変化が期待できるのでしょうか。
日本人が日常生活を行っている中では、デジタル通貨といってもその効用がピンと来ないかもしれません。しかし、私たちの日常経済の大半は、デジタルでの通貨のやりとりで成立しています。給料は現金ではなく銀行口座に振り込まれるし、クレジットカードや電子マネーで普通に買い物もできます。
1年前に比べれば銀行のATMでおカネを引き出す回数が減ったという人も多いかもしれません。そうしたこととデジタル通貨は、いったい何が違うのでしょうか。
ここで気づくことは、通貨がデジタル化されているといっても、あくまで安心・安全なのは銀行に通貨がデジタルデータとして保管されている状態であるということです。私は、銀行のシステムを構築している大手IT企業との付き合いが長いので断言できますが、銀行に預けた預金のデジタルデータが改ざんされたり、消失したりすることはまず起こりません。
詳しい方は、南海トラフ地震や海外からの組織的なサイバー攻撃で、そのようなリスクが懸念されるのではないかとご指摘されるかもしれませんが、その規模の災害や攻撃でもメガバンクやゆうちょ銀行、ないしはシステムが共同化されている地銀や信用金庫なら、確実に顧客資産を守ることができます。