経済大国で唯一それなりの成長を遂げている中国から、企業はいかにしてサプライチェーン(供給網)を移すのか? 政府の多大な支援なしには移転しないかもしれない。政治や社会的評価に関するリスクをヘッジしたり、新型コロナウイルスのような将来の災害に備えたりするために、多くの企業が中国からのある程度のデカップリング――あるいは少なくとも分散――を望んでいる。この点については実に皮肉なことに、中国は新型コロナの流行から最初に回復した主要国となったため、多国籍企業の中国依存は多くの場合むしろ高まった。中国への外国直接投資(FDI)は急回復している。スポーツ用品大手のナイキや電気自動車(EV)メーカーのテスラをはじめとする企業は、4-6月期決算を支えた主要因として中国を挙げた。これに対し、供給網の再構築コストはまさしく膨大だ。
中国との「デカップリング」 1兆ドルの価値あるか
企業はいかにサプライチェーンを移すのか
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