地銀は、経営統合を進めるだけでなく、同時にビジネスの形態を一新させる業態転換を進めなければなるまい。例えば、サービスと業務のデジタル化を徹底的に進めることができれば、メガバンクが必ずしも進んでいるとはいえない現状にあって、地銀発の金融グループが「全国区」で将来一番を取る可能性がないとはいえない。銀行の業務とサービスをフルセットで持っているのだから、2〜3歩先の技術で勝負するようなつもりで、思い切った経営を行う地銀の登場に期待したい。

「地銀の半沢直樹」はどうしたらいいか
適切なキャリア戦略とは?

 現在地銀に勤めている、またはこれから入行しようと考える人はどうしたらいいだろうか。特に、顧客と自行のために一働きしたいと思っている「地銀の半沢直樹」のような人物にとって、適切なキャリア戦略は何か。

 まず、「現在の銀行にこだわらない」という心構えを持つことが重要だ。

 経営統合が行われた場合、「人事の持ち点」はリセットされる可能性が大きい。また、仮に優位な銀行の側の行員として統合に臨めるとしても「旧行意識」を強く持っていることは将来の銀行経営のプラスにならない。

 また、経営統合された新銀行で人事が一本化されるとき、個人の仕事の「成果」を基準にした人事や報酬の考え方が強くならざるを得ないことが必然的だ。

 諸々の変化の可能性を考えると、個々の地銀の行員にとって、現在の「人事の持ち点」の相対的価値が下がり、自分個人の「人材価値」をより高めることの効果がより大きくなる理屈だ。

 デジタル化が進む金融業界にあって、意味のある「人材価値」の源は、大まかに言うと、(1)専門的な知識やスキルと、(2)顧客を持っていること、の2点だ。