熱を帯びる米大統領選挙の中で、投票監視のために共和・民主両陣営が集めた投票立会人が、対立の発火点になる可能性が大きくなっている。選挙関連法の学者や投票権擁護団体などは、選挙の妨害や有権者への威嚇的行為につながる可能性について警告を発している。ドナルド・トランプ、ジョー・バイデン両候補の選挙陣営は、共和・民主両党とともに、全国規模での投票所の監視や、他の投票促進の取り組みのために、記録的人数のボランティアを集めると宣言している。こうした動きは、険悪なムードの選挙へとつながりそうだ。投票権侵害を懸念する無党派のグループも、投票立会人の確保を進めている。投票立会人は一般に、投票を監視し、何らかの不審な動きがあれば選管当局者や党の法律専門家に注意を促すことが認められており、選挙の際に彼らの存在は通常のことだ。州法の規定はさまざまだが、多くの州は各政党と選挙陣営が正式に投票立会人を指名することを認めている。こうした法律の多くは、各投票所における投票立会人の人数や行動を制限している。例えばテキサス州では、投票立会人が投票者と会話を交わすことが禁じられている。