口紅が苦戦する2つの要因
コロナ禍で売れなかった17品目

 昨年と比べて販売金額が最も減少したのは、口紅だった。前年同期比31.9%と激しく落ち込んでいる。口紅は、同じくインテージの調査データを基にダイヤモンド・オンラインが5月に配信した記事『コロナ時代に「売れる商品・売れない商品」トップ30、口紅は大幅減』においても、前年同期比26.3%(集計期間:20年4月20~26日)だった。

 同記事で指摘した、化粧品の売れ行きの“格差”は今も顕著だ。口紅、ファンデーション(2位:金額前年比62.2%)、化粧下地(3位:同67.2%)と、マスクに触れる部分の商品が売れづらい傾向に変わりはないようだ。

 また、外出機会が減っていることやマスク着用が習慣化していることに加えて、化粧品の売り上げ減少に大きな影響を与えているのが、インバウンド需要の蒸発だ。日本政府観光局(JNTO)の発表によれば、8月の訪日外客数は前年同月⽐99.7%減と、すさまじい数値を記録している。インバウンド需要の消失とコロナ禍におけるニーズ縮小の“ダブルパンチ”により、化粧品の売れ行きは非常に厳しい状況にある。

 4位には総合感冒薬(いわゆる風邪薬など、同70.0%)、5位には鎮咳去痰剤(トローチ剤を除く鎮咳去痰に用いるために調製された内服薬、同73.5%)がランクインした。コロナ対策の一環で、手洗い・うがいが習慣化した結果、「夏風邪をひく人が減り、薬を購入する人が減ったのではないか」(木地氏)と考えられる。

 6位のチューインガム(同74.9%)、12位のキャンディ(同88.2%)も昨年に比べて売れていない。とりわけキャンディの中に含まれるタブレットタイプの清涼菓子は、外出したりオフィスに出勤したりする機会が減ったことが、販売金額の減少につながっているようだ。

 コロナの影響で生活の仕方が大きく変わった今年の夏。身近な商品の売れ行きにも多大な影響があったことが分かる。