何歳までこの会社で働くのか? 退職金はどうもらうのか? 定年後も会社員として働くか、独立して働くか? 年金を何歳から受け取るか? 住まいはどうするのか? 定年が見えてくるに従い、自分で決断しないといけないことが増えてきます。
会社も役所も通り一遍のことは教えてくれても、”あなた自身”がどう決断すれば一番トクになるのかまでは、教えてくれません。税や社会保険制度の仕組みは、知らない人が損をするようにできています。
定年前後に気を付けるべき「落とし穴」や、知っているとトクする裏ワザを紹介したシニアマネーコンサルタント・税理士の板倉京先生の話題の著書「知らないと大損する!定年前後のお金の正解」から、一部を抜粋して紹介します。本書の裏ワザを実行するのとしないのとでは、総額1000万円以上も「手取り」が変わってくることも!
退職金は、多くのサラリーマンにとって、一度にもらえるお金としては人生最大の収入といっても過言ではないでしょう。老後の生活を支える大切な資金源でもありますから、なんとか多くを手に入れたいところです。
「定年間際で、退職金を今さら増やすなんて無理でしょ」と思うかもしれませんが、退職金の手取りはちょっとした工夫で、数十万~数百万円単位で変えることができます。
退職金の手取りを増やすコツは「税金を低く抑えること」。ポイントは、「もらい方」と「非課税枠のフル活用」です。
退職金は税金が超優遇されている! 社会保険料もかからない
退職金を一括で受け取った場合には、「退職所得控除」という大きな非課税枠が用意されています。この非課税枠は勤続年数が長いほど多くなります。仮に勤続35年の場合の非課税枠は1850万円。ここまでは退職金をもらっても税金はかかりません。また、非課税枠を超えたとしても、超過分の半分だけが課税対象です。
ちなみに1850万円を給料でもらったら、400万円程度の税金と280万円程度の社会保険料が取られてしまいます。社会保険料も税金に負けず劣らず大きな負担です。
でも、一括でもらう退職金なら社会保険料もかかりません。
退職金は、年金形式でもらう方法もあります。
いわゆる企業年金です。名前が似ているので、「公的年金」とごちゃごちゃになっている人も多いようですが、これは会社が積み立てた退職金を年金形式でもらうもの。
年金形式でもらう場合には、税金や社会保険料の優遇はありませんが、一括受け取りとの組み合わせ方や、もらう時期をずらすなどのちょっとした工夫で税金を抑えることも可能です。
また、もらった後の、退職金の管理や運用も手取りを増やすためには重要です。
本書では、退職金の手取りを最大化するためのワザを紹介しています。できるものは実践して退職金を1円でも多く手に入れましょう!