さらに、トップ10の企業を俯瞰(ふかん)してみると、また違った意味でトヨタの影響度合いが感じられる。

 トヨタ自動車は、2位の豊田通商、6位の豊田自動織機(810.4万円)、9位のデンソー(797.8万円)の9社(自社を除く)中3社で筆頭株主となっている。トヨタのお膝元である愛知県ならではの特性と言えそうだ。

上位10社中6社がメーカー
高年収企業は名古屋市に集中

 また、そのほかのトップ10にランクインした企業を含め、メーカーが多いことも特徴の一つだ。トヨタ自動車、豊田自動織機(6位)、デンソー(9位)に加えて、工作機械メーカーのDMG森精機(7位808.0万円)、研磨材などの製造・販売を手掛けるフジミインコーポレーテッド(8位799.8万円)、セラミック素材や電子部品を製造するMARUWA(10位781.2万円)と、手掛ける製品の違いはあるものの、10社中6社と半数以上が製品の開発・製造を生業とするメーカーだった。これも、“ものづくり王国“愛知県らしい傾向と言える。

 なお、今回、年収が700万円を超えた企業は25社だった。最後に、この25社について業種別の傾向を確認しておこう。

 業種別に集計すると、最も多かったのは「機械」と「輸送用機器」でそれぞれ4社だった。やはり愛知県内はメーカー強し、といったところか。内訳は、「機械」が先述のDMG森精機に加えて、ホシザキ(16位756.4万円)、FUJI(20位728.7万円)、マキタ(22位717.0万円)の4社。「輸送用機器」は、トップ10にランクインしたトヨタ自動車、豊田自動織機、デンソーのほか、アイシン精機(23位709.9万円)が700万円を超えた。ちなみに、アイシン精機の筆頭株主もトヨタ自動車である。

 また、年収700万円超の25社を本社所在地の市町村別に集計すると、名古屋市に拠点を置いている企業が14社で最も多く、続く刈谷市は3社だった。名古屋市に本社を構える14社の平均年収は、825.0万円。もう少し細かく見てみると、名古屋駅近くの中村区に5社、名古屋駅周辺と並んで名古屋市の代表的な繁華街である栄近辺の中区と東区に6社あることが分かった。どちらも中部圏の商業の中心地であり、再開発が進んでいる地域だ。ビジネスにおいても注目のエリアだと言えるだろう。

(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)