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インキュベーションの虚と実

大学は起業家に必要なものが揃うスゴい土壌だ!
自分次第で新たな展開が実現する正しい大学の使い方

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第11回】 2012年9月24日
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超交流会コミュニティのキーマンである、今村元一・クエステトラ社長(左)と勝屋久氏。生命エネルギーが迸っている。

 筆者と超交流会との付き合いは、第10回で紹介した勝屋久氏と筆者が主宰のイベント「BRIDGE」の初回(2009年11月)に超交流会の出張セッションを行なっていただいて以来である。2010年からは、筆者も京都大学での「超交流会」に登壇し、本連載の第4回、5回のもととなるプレゼンテーションをした。

 超交流会のもとは、ただの京大情報学同窓会の総会だった。その様子は寂しいものだった。仕方なく開いていたという雰囲気がにじみ出ていて、主催側が数名、出席者用に数十席を用意するが、出席者は主催側よりも少ないという状況が何回か続いていた。形骸化した同窓会の悪しきサイクルに陥っていたのだ。

 そんな同窓会を見て、これではダメだと、同窓生の永原正章(同窓会会長[当時]/京都大学大学院情報学研究科助教)、今村元一(クエステトラ社長)、谷口忠大(立命館大学情報理工学部准教授)、誉田太朗(モバセンス社長)の四名が改善策を話し合ったことから、「超交流会」が誕生した。

 「超交流会」は、京都大学情報学研究科どころか、京都大学に関係しない人や組織も歓迎し、数百人規模で開催されるオモロいイベントだ。年ごとに「みんなのアントレプレナーシップ」といったテーマを掲げ、エッジの効いた講演やセッション、企業や投資家も展示ブースを構え、交流会が行われる。さらに、イベントにとどまらず、縁が日々発展しているのが「超交流会」の最大の特徴だ。

 いまでは超交流会コミュニティは思わぬほどに拡大発展している。筆者は超交流会を通して親しくなった近藤淳也氏(理学部出身、はてな社長)と「BIRTH」(ビジネス紹介プレゼンを受けて会場全員でアイデアを出す)という活動を実験的にはじめ、これまで京都で二回ほど開いた

超交流会は「縁」を強調し
「ふたつながり先」を目指す

 他にも、様々な活動が生まれている。

 ゲーミフィケーションをリードするベンチャー企業ゆめみは、超交流会を採用源にしており、今年も修士や博士の学生とつながり、数名をアルバイトとして採用している。ゆめみは「京大でゲーミフィケーションを説明した」というブランディングにも、超交流会はプラスになっている。

 また、コラボレーション・ツールのベンチャー企業ヌーラボは、超交流会が関西圏のユーザ会の代わりになっており、ユーザーたちとお腹いっぱい話し、ユーザー同士の交流にも役立てている。

 日本最大級のベンチャーの祭典「Infinity Ventures Summit」(IVS)の冬版は、宮崎で行なうというのが定番だったが、2010年から京都で開かれている。ここにも、超交流会が関わっている。

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本荘修二

新事業を中心に、日米の大企業・ベンチャー・投資家等のアドバイザーを務める。多摩大学(MBA)客員教授。Net Service Ventures、500 Startups、Founder Institute、始動Next Innovator、福岡県他の起業家メンター。BCG東京、米CSC、CSK/セガ・グループ大川会長付、投資育成会社General Atlantic日本代表などを経て、現在に至る。「エコシステム・マーケティング」など著書多数。訳書に『ザッポス伝説』(ダイヤモンド社))、連載に「インキュベーションの虚と実」「垣根を超える力」などがある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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