新型コロナウイルス予防ワクチンの開発競争で、大規模な治験の結果を待っている欧米諸国の隙を突くかのように、中国とロシアが世界に先駆けてワクチン候補の配布を加速させている。アラブ首長国連邦(UAE)は過去1カ月に、中国産ワクチン候補を数千人の医療関係者や教師、空港スタッフ、政府当局者などに投与した。中国以外で行う緊急使用プログラムとしては最大級の規模だ。インドネシアは来月にも、中国産コロナワクチン3種について、緊急使用に基づく投与を開始する計画だ。保健当局幹部が明らかにした。ロシアは8月、最前線で働く医療関係者などへの国産ワクチン第1弾「スプートニクV」の緊急使用許可(EUA)を認めた。これに続き14日には、ワクチン候補第2弾にも緊急使用を認めた。ウラジーミル・プーチン大統領は両方のワクチン候補について、増産する考えを示している。中国はすでに、海外に渡航する外交官や学生ら数十万人を対象にワクチン候補の投与を開始しており、治験以外の場で供給を拡大している。
中ロ「ワクチン外交」で攻勢、欧米の間隙突く
UAEが中国産ワクチン候補を医療関係者らに投与する一方、インドネシアも緊急使用に基づく投与を計画
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