普賢院はマグロ漁で知られる青森県大間町にある禅寺だ。1日1組限定の宿坊を運営し、「まぐろのおいしいお寺」として知られている。同院の菊池住職は、オンライン坊主BARの企画を知り、「お寺を身近に感じていただく良い機会になる」と参加を即決した。その背景には、菊池住職が目指す“人に寄り添える”僧侶像がある。 

誰にも話せない「心の毒」をデトックス!「オンライン坊主BAR」とは?「BAR 普賢院」を開店した菊池住職。人口減少の激しい地域における、布施収入に頼らない寺院のあり方を模索している

 菊池住職は学生時代に東日本大震災を経験。現地でボランティア活動を行うなかで、自身も家族をなくした僧侶が被災者の話にひたすら耳を傾けて回る姿を目にした。

「自分も失意の底にありながら、なぜこのように人の悲しみに寄り添うことができるのか。自分もこのようなありがたい存在になりたい」

 その思いから僧侶への道を一歩踏み出し、10年間の修行を経て、2018年から地元で23年間廃寺となっていた普賢院の再生に取り組んできた。

 宿坊では菊池住職がつきっきりで宿泊客の要望に合わせた対応を行っている。そのため、観光目的のほか、人生相談をしにやってくる人も少なくない。1人で訪れた自殺志願者の話に8時間半ひたすら耳を傾け、送り出したことも。彼はその後3年連続、元気な姿で宿坊を訪れているという。

 そうした菊池住職の「聞く」姿勢が、オンライン坊主BARにも貫かれている。