コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じています。
ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまいます。
発売2ヵ月で13万部を突破した、樺沢紫苑氏による最新作ストレスフリー超大全』では、ストレスフリーに生きる方法を、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」で紹介した。
「アドバイスを聞いてラクになった!」「今すべきことがわかった!」と、YouTubeでも大反響を集める樺沢氏。そのストレスフリーの本質に迫る――。

自分と下の人と比べると「成長が止まる」

自分よりも下の人と比較することはありますか?

「自分は20万円の安月給。同級生のB男は15万円だ。それよりはマシか」
「今日も残業。でも、B男の会社はブラックで、毎日終電帰りらしい。それよりはマシか」

自分よりも下の人と自分を比べて、それよりはマシと思う心理を、心理学では「下方比較」と言います。下方比較をすると、多少の安心は得られます。しかし、「もっと頑張ろう!」という気持ちは起きません。今のダメな自分に対する、「ささやかな自己肯定」が得られるだけです。

「自分より下の人はたくさんいるから、まあ、いっか」と思考も行動も停止します。つまり、頑張ろうというモチベーションも湧かず、自己成長も起きません。いつも下方比較ばかりしていると、自分よりもダメに見える人間ばかりを探し、人を見下すようになるかもしれません。

下方比較ばかりするのは思考停止であり成長停止です。幸せからドンドン遠ざかるだけなので、「他人と自分を比較してしまう」心のクセを自分で意識し、コントロールすることが必要です。

比較ではなく「観察」をする

他人ではなく、過去の自分と比べるとはいっても、自分のすぐ周りに自分より「できる人間」「うまくいっている人間」がいると、どうしてもそこに注意が向かってしまいます。

たとえば、あなたが会社の営業部に勤めているとします。同期入社のC男は、今月の売上でトップをとりました。しかし、あなたは売上ノルマを大きく下回り、部内で最下位です。

「同期入社のC男は、トップ営業なのに、俺は最下位。俺って、なんてダメなんだ」と思うでしょう。しかし、そんな感傷に浸っている暇があれば、もっとC男を観察するべきです

「なぜC男は、そんなにたくさん契約を取ることができるのか?」
「見込み客の管理をどうやっている? どんな営業トークを使っている?」
「何時に来て何時に帰っている? 昼休みは、どうやって過ごしている?」

トップ営業マン、すなわち「営業の教科書」があなたのすぐそばにいるわけですから、その営業スタイル、さらには時間の使い方や生活スタイルまでも調べ上げて、それを徹底的にマネしていく。比較するのではなく、「観察」すればいいのです。

「トップをとって偉そうに」とか、C男の悪口を言ってはいけません。むしろ、C男と徹底的に仲良くして、営業の秘訣を聞き出すのです。営業の秘訣はそう簡単に語らなかったとしても、普段どんな本を読んでいるのか、おすすめのビジネス書くらいは教えてくれるでしょう。

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「妬む」のではなく「リスペクト」する

人間、嫌いな相手から学ぶことはできません。嫉妬心、嫌悪感、ネガティブ感情で相手を観察しても、マイナスの部分しか見えてきません。

自分より優秀な人をリスペクトしましょう。リスペクトすると、「自分もそうなりたい」という思いが出てきて、相手の「良い部分」「うまくいっている部分」「他の人がしていない工夫」などが、ドンドン、目に入るようになります。これを心理学では、「モデリング」といいます。相手をリスペクトするだけで、相手の長所を無意識に探し出し、無意識にマネていくのです。

徹底的に観察し、徹底的にマネていく。あなたの能力は間違いなくアップします

「悔しい」「うらやましい」「嫉妬心」「自責の念(自分はダメだ)」といった、ネガティブな感情反応には何の意味もありません。百害あって一利なしです。

他人と自分を比較するのなら、感情は捨てて、「中立(ニュートラル)」な気持ちで、「自分にできていない、相手にできていること」を観察し、リスペクトし、マネをしましょう