この夏の初め、Hyliion(ハイリオン)やフィスカー、ローズタウンといった米電気自動車(EV)新興企業は、従業員が数十人の小さなメーカーにすぎなかった。そのうち2社はプロトタイプを製作した程度だ。いずれも売上高を計上したことはまだない。現在、株式市場の投資家は3社の企業価値をそれぞれ30億ドル超と評価している。EVセクターは熱狂の渦に飲まれている。EVの先駆者テスラの株価急騰や、新興企業を上場させる白紙小切手会社の乱立を背景に、投資家は脱・内燃エンジンで一変する自動車市場の未来の巨人を見つけ出そうと期待を膨らませている。EV新興2社がここ数ヶ月で上場を果たし、他にもEVやバッテリー企業4社が上場計画を発表している。いずれも収益はごくわずかか、皆無となっている。