ひきこもりや無職等の状態にある人の自立支援施設を運営する団体とそのスタッフに対し、今月28日、関東在住の元生徒7人が集団で提訴する。7人は、ある日突然、自室に現れたスタッフらに、ひきこもりや無職等の状態であることを理由に、施設で自立支援を受けるよう迫られ、「強引に連れ出され、抑圧された生活を強いられた」などと主張している。(ジャーナリスト 加藤順子)
ひきこもりや無職等の状態を理由に
寮に連れ出された7人が集団提訴
ひきこもりや無職等の状態にある人の自立支援施設として知られる「ワンステップスクール(以下、ワンステ)」を運営する、一般社団法人若者教育支援センター(東京都港区、広岡政幸代表理事)とそのスタッフに対し、今月28日、関東在住の元生徒7人が集団で提訴する。
広岡代表の著書によれば、同校は2008年設立で、神奈川県中井町や静岡県御殿場市に主な拠点を構える。元生徒7人は、ある日突然、自室に現れたスタッフらに、ひきこもりや無職等の状態であることを理由に、同社の施設で自立支援を受けるよう迫られ、「強引に連れ出され、抑圧された生活を強いられた」などと主張している。
集団提訴に踏み切る元生徒7人は、関東在住の20〜40代の男性。入寮は17〜19年とバラつきがあり、サポート期間も、最短で3週間あまり、最長で2年2カ月と幅がある。
同センターは「ピック」と称し、家族の依頼を受けた数名の男性スタッフが支援対象者本人を予告なしにいきなり訪れ、そのまま寮に連れ出す手法を用いる。このため、俗に「引き出し屋」などとも呼ばれている。
元生徒7人のピック場所は、東北地方から沖縄本土にわたり、同センターの活動範囲の広さを物語る。そのうち5人は、17年11月から19年12月までに中井町の湘南校からそれぞれ脱走し、福祉施設に保護された経緯がある。また、サポート期間中に、湘南校から神奈川県内の精神科病院に医療保護入院をさせられた30代男性もいる。