米大統領選を目前に控えlトランプ政権がイランへの制裁拡大を検討している。事情に詳しい関係者によると、新政権が誕生した場合に制裁を解除することを困難にする狙いがある。民主党のジョー・バイデン大統領候補は全米や激戦州を対象にした世論調査の支持率でおおむねトランプ氏をリードしている。このためトランプ政権関係者は、バイデン氏がイランとの関係見直しに動き、イランに新たな核・安全保障合意を迫る上で重要とみる外交上の優位性が覆される可能性があると懸念している。トランプ政権はテロ対策の一環として、イランに制裁を科しており、アナリストはこうした枠組みの制裁解除は最も困難になるとみている。関係者によると、追加的な制裁を検討する上で、米政権はイランのテロ関連活動の資金源となりうる石油化学産業や鉱業に関心を向けており、特にエネルギー部門に焦点を当てている。