日本人が取り戻すべき
渋沢栄一の時代の2つの考え方

 私が現在構想している「さいたまブロンコス×深谷合本主義プロジェクト」は、その取り組みの見取り図を示すものです(図表)。そのプロジェクトに私は「GAPPONISM」と名付けました。GAPPONISMには、正智深谷高校とブロンコスの交流戦「BRONCOSチャレンジ」、同校での特別授業「職業とは何か?」、埼玉工業大学での「スポーツビジネス講座」などが含まれます。授業や講義の講師は私自身が担当します。一見、利益に直結しない取り組みばかりに見えるかもしれませんが、地域とバスケがつながる取り組みを多面的に重ねていくことで、少しずつ地域の力が集まり、大きなビジネスにつながるのではないかと考えています。

 このGAPPONISMの根底にある考え方は、至極普遍的な「言論の自由」と「是々非々」です。合本主義を実現するには、立場や地位の違いを超えて、誰もが率直な意見を言い合える環境が必要です。すなわち「言論の自由」が尊重されるということです。いいことはいい、悪いことは悪いと誰もが言えなければなりません。すなわち「是々非々」です。

 さらにその根底にあるのは、「完璧な人はいない」という考え方です。どれほど偉い人でも間違えることはあるし、正しいとはいえない判断をすることもあります。人格者と呼ばれている人でも、何かしらの問題は抱えているものです。

 あの人は偉いから。あの人は人格者だから――。そんな理由でその人に率直に意見が言えないのは、健全な関係ではありません。そしてまた、「権威主義」「権力主義」に支配されてしまうようでは、「発展」は狭まってしまいます。私自身、特に偉いわけでも人格者でもありませんが、社長という立場なので意見を控える人もいると思います。しかし、私はどんな若い人からでも意見をしてほしいと思っています。その意見が正当なものであるならば。

「正当な意見」とは、真剣な思いがこもっている意見であり、取り繕うことを目的としていない意見であり、うそやしがらみや忖度が含まれていない意見です。また、裏付けがしっかりとしており、大義や目的がきちんと考えられている意見です。