ドナルド・トランプ米大統領を相手取った名誉毀損(きそん)訴訟を巡り、連邦地方裁判所は27日、大統領は著名コラムニストに対する性的暴行疑惑を公的な立場で否定したわけではないとして、司法省が大統領の代理人を務めることはできないとの判断を下した。1990年代に百貨店の試着室でトランプ氏に暴行を受けたと訴えたジャーナリストのジーン・キャロルさんが法的勝利を収めた格好だ。キャロルさんは昨年11月、自著出版後にトランプ氏がレイプ疑惑を否定したことが名誉毀損に当たると、ニューヨーク州の裁判所に訴えていた。政府職員が公式な立場でとった行動に対しては名誉毀損で訴えることができないため、トランプ氏が大統領としての適性に関する質問に公式な立場から対応したとする司法省の主張を地裁が認めていれば、キャロルさんが訴訟を継続することは事実上不可能となる見通しだった。