日銀のETF買い入れ10年
中央銀行が「最大株主」といういびつ
日本銀行が2010年10月にETF(上場投資信託)の購入を決めてから10年がたった。
この間に、状況は大きく変わった。
年間購入額は、当初は4500億円だったが、13年に始めた異次元金融緩和で1兆円となり、その後も増加。14年10月には、消費税増税に対抗する景気刺激のため、購入額を3倍の3兆円に増加した。16年に6兆円となった。
コロナショックで株価が急落した3月には買い入れ枠がさらに増やされ、20年9月末の残高は、34.2兆円となっている。
これは、東証1部時価総額の約6%に当たる。その結果、日本銀行が東証第1部上場企業の事実上の最大株主となっている。
いまのペースで増え続けると、2年後に東証1部時価総額の8%を超え、10%になる可能性もある。