どうなる景気・市場どうなる透視#3Photo:PIXTA

新型コロナウイルス感染拡大は主要国の経済や金融・商品市場を大きく動揺させた。『どうなる景気・市場 どうする投資』(全10回)の#3では、識者に実施したアンケートを基に、今後の日本経済の動向を占う。

「週刊ダイヤモンド」2020年6月20日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

 2020年度は5%弱のマイナス成長、21年度は約3.5%のプラス成長。これが、今回、10人の著名エコノミストに日本経済の実質経済成長率についてアンケートした結果の平均値だ。

 20年度第1次補正予算、第2次補正予算を合わせて57兆円強が、個人や中小企業への給付金など新型コロナウイルス対策として投じられる。また、日本銀行も国債の無制限買い入れや社債買い入れ、資金繰り支援策など他の主要国の中央銀行とほぼ同じメニューの資金供給策を取っている。冒頭の数値はこれら総動員された政策効果を織り込んだ上での結果である。

 今後、景気はどうなるのか。四半期ベースでの回答を基にその動向を分析してみる。

 4月7日にまず大都市圏に発令された緊急事態宣言で経済活動が大きく縮小し、消費も蒸発した。5月25日に宣言が解除されるまでの期間を含む20年4~6月期は当然ながら大幅なマイナス成長となる。消費などの内需だけでなく、世界経済の落ち込みから輸出も減少する。

 20年4~6月期は20%前後のマイナス成長は確実。リーマンショック後の09年1~3月期の年率マイナス17.8%成長を超え、戦後最大の落ち込みとなりそうだ。