海外に行くと日本にはないサービスや仕組みに驚くことが少なくない。台湾にも、デジタル化社会を象徴するような画期的な制度、ルールが存在する。その一つが、台湾の「宝くじ付きレシート」だ。日本ではレジ横にレシート用のゴミ箱(トレー)が置いてあるが、台湾ではレシートを募金箱に入れる人はいても、捨てる人はいない。台湾政府が長年をかけて築き上げたレシートの驚きの仕組みを解説する。(アジア市場開発・富吉国際企業顧問有限公司代表 藤 重太)
130円の菓子パンを買って
3600万円が当たる人も
台湾で買い物をすると「統一発票(レシート)」がもらえて、それが宝くじになっているという話は、台湾通であれば知っている人も多いだろう。
買い物をして、そのレシートが当たれば特別賞約3600万円(1000万元)がもらえる。他にも特等約720万円(200万元)、1等約72万円(20万元)、2等約14万4000円(4万元)、3等3万6000円(1万元)、5等1万4400円(4000元)、6等3600円(1000元)、末等でも720円(200元)もらえる。
抽せんは2カ月に1回、奇数月の25日に発表される。2カ月に1回、買い物したレシートが大金に化けるのだ。われわれ日本人や外国人観光客でも台湾で買い物・食事など消費をしてレシートをもらえば、もちろん当せんの権利が発生する。
今年9月25日にも、2020年7-8月のレシートの抽選が行われた。その抽選で特別賞3600万円に当たった幸運な人が22名、特等720万円は21名生まれている。
特別賞で3600万円を手にした人のうち、もっとも安い買い物をした人は新北市のスーパーで菓子パン35元(約130円)を買った人で、最も高い買い物は台中市のオートバイ8万1000元(約29万円)だ。他にもたばこ、食品、駐車代、電話代、生活用品などを買った人が、3600万円を手にしている。