ご夫婦の方は、お互いのお金の使い方に関心をどのくらい持っているでしょうか。何にお金を使い、いくらためているかなどは共有できているでしょうか。
夫婦のお財布が別々だと家計管理は難しく、お金をためにくいということは、この連載でも何度かお伝えしてきました。ただ、夫婦一緒の財布で家計管理をしているという人も、妻にお金を渡して管理してもらっているから大丈夫だ、などと任せきりにしていないでしょうか。これも実は見かけ上、同じ財布にしているだけの「隠れ夫婦別財布」です。
お金の使い方やたまり具合を共有できていないことは、家計を別々に管理していることと同じこと。気が付いたときには取り返しのつかない事態に陥っている……そんなことも珍しくないのです。
ストレスで衣・食に60万円の出費!
夫が知らない「爆買いする妻」
家計相談に来られた会社員で主婦のAさん(45)は、同じく会社員の夫(46)と小学4年生の息子の3人暮らしです。新型コロナウイルス感染拡大への警戒が最大限に高まっていた3~5月、Aさんの業務はテレワークとなり、息子も休校のため、ずっと家にいました。一方で、夫は業務の都合上、通常通り出社、という状況でした。
外出自粛、買い物は回数を控える、3密を避ける……などと強く呼びかけられている時期でしたから、Aさんは極力自宅から出ず、黙々とパソコンと向き合って仕事。ウェブ会議などはありましたが毎日ではありませんし、出勤が必要な夫は「感染していたら困るから」と、多くの人に会った後は1週間ほどホテルに泊まるなどで自主隔離をしていたため、息子以外の人と会話をする機会がどんどん減ってしまいました。