ドナルド・トランプ米大統領,バスPhoto:Justin Sullivan/gettyimages

【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領の選対顧問は昨年12月、再選戦略として特定の有権者層に照準を定める方針を記者団に明らかにしていた。

 一つは、2016年の大統領選ではトランプ氏を支持しながらも、2年後の中間選挙では投票を見送った「トランプ離れ層」。もう一つは激戦州に多い、労働者階級の白人層でトランプ氏のメッセージになびくとみられる「無投票層」だ。

 投票日が間近に迫る中、有権者登録および世論調査のデータは、トランプ氏がこの目標を達成していることを示唆している。問題なのは、トランプ氏がかつて制した州で再び勝利できるだけの票を獲得したか――そして、そのためにトランプ氏が高すぎる代償を払っていないかだ。世論調査からは、トランプ氏が新たな有権者を獲得し、2016年の支持層の熱気を高めている半面、一部では共和党支持者、もしくはトランプ氏の仕事ぶりは評価しているといった有権者でさえ、遠ざけていることも浮かび上がってきた。

 ペンシルベニア州ヨーク郡の共和党幹部、ジェフリー・ピッコラ氏は「左派、右派の両方で有権者登録が増えている」と語る。ヨーク郡は前回の大統領選で、同州の中でもトランプ氏が最も大きな差をつけて勝利した選挙区だ。ピッコラ氏は「ただ同時に、これには代償も伴う」とし、中道派の共和党支持者は、大統領選以外では共和党の候補者を支持しながらも、トランプ氏からは離れていっていると話す。「だが、総じて、トランプ氏から離れていった有権者よりも、新たに引き寄せられた有権者の方が多い」という。