――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJエグゼクティブ・ワシントン・エディター
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ドナルド・トランプ米大統領にまだ勝算はあるのか。米政治を専門とする執筆関係者らが最近、最も頻繁に受ける質問だ。
この問いは、トランプ氏に勝ってほしい人、そうでない人の双方から寄せられる。投票日まであと1週間となった今、その答えを提供する最適なタイミングだろう。
もちろん、トランプ氏の逆転は依然あり得る。
そのためには、影響力の大きいいくつかの有権者層から不可欠な支持を獲得すること、そして再び一般投票で負けても、当選に必要な選挙人を確保できるよう、勝つべき州を確実に押さえることが必要となる。
「前回2016年の実績を踏まえると、選挙戦終盤で巻き返すトランプの能力を過小評価することはできない」。ビル・クリントン元大統領の政治責任者を務めたダグ・ソスニク氏は先頃、こう分析した。「トランプはバイデンよりも過密スケジュールで、精力的に選挙活動を行っている。聴衆の規模も上回っており、現地入りしている激戦州で地元メディアの注目を一気に集めている」