「おはよう、昨日また足がつったみたいね。つらそうだったけど、私には何もできないから寝ちゃった。ごめんね」

 妻がすまなそうに聞いてきた。

「うん。もうこれで3日連続だよ。眠れないせいか、だるくて仕方ないし、体にへんに力が入るのか筋肉痛なんだよね。昨日なんか、ただ歩いているだけなのにつりそうになったよ。もう怖くて、ノイローゼになりそうだ。ホントに、すごいストレスだよ。この恐怖、わかるかな」

「どうしちゃったんでしょうね。こむら返りは、普通よりなりやすいみたいだけど、こんなに連続することってなかったでしょ」

「うん。1カ月ぐらい前、ゴルフ中に足をつったとき、一緒にいた仲間からいい漢方薬を教えてもらったんだよね。芍薬甘草湯っていうんだけどさ。こむら返りによく効くっていうので、寝る前に予防的に飲むことにしたんだ。お陰で全然つらなくなっていたのに、この3日ぐらい急に悪化しちゃったんだよね」

「案外、その薬のせいかもよ」

「え、だって漢方薬だよ。大丈夫なんじゃないの。それに、足のつりに効く薬なんだから、そのせいで余計つるようになったらおかしいでしょ」

「それもそうね。じゃあ一度病院で診てもらったら。毎日つるなんて心配だもの」

診断は偽アルドステロン症
甘草の飲み過ぎが疑われた

 さっそく、近所の内科を受診した。総合診療科でもあるという。医師はアキラさんの話を聞き、風邪の診察で行うのと同じように喉を診て、聴診器を胸と背中にあてがった後、さらに質問してきた。

「喉が腫れてますね、風邪気味ですか」

「はい、4~5日前から風邪気味で、念のため漢方薬を飲みました」

「病院は受診されたんですか」

「いいえ、ドラッグストアで買いました。小青竜湯です」