イーロン・マスク氏率いるスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)は創業当初、米国防総省の高官に相手にされなかった。しかし今は国防に関わるビジネスの獲得にこれまでにない成功を収めている。マスク氏のチームはここ数カ月の間に、国家安全保障衛星の打ち上げ、米軍向け気象予測の改善、敵のミサイルを追跡するための新世代の小型宇宙飛行体の開発などさまざま契約を勝ち取った。スペースXは通信ネットワークの実証で空軍や陸軍とも連携している。数週間前には同社が提案している深宇宙向けの輸送機「スターシップ」の地球での高速貨物輸送機としての実現可能性の研究で国防総省と合意した。スターシップはロケットエンジンを内蔵しており、同社のエンジニアは重さ80トンの貨物を数分で大陸間を移動させることを想定している。