一見すると、2020年の米選挙は政治を大混乱に陥れたように見える。国家は深く分断され、大統領選は激戦だった。そして政治二極化の時代を背景に、分断された政府が生まれる見通しだ――。ただ、少しばかりの楽観を込めて目を凝らせば、ジョー・バイデン前副大統領が勝者と宣言された今、違った光景が浮かび上がるかもしれない。その光景とは、何かを成し遂げるために実際に機能するかもしれない連携の構図だ。この一段と楽観的な見方では、ホワイトハウスのバイデン氏、恐らく引き続き共和党のミッチ・マコネル氏が上院院内総務を務めるほぼ均等に分断された上院、そしてこれまで以上に拮抗(きっこう)する下院という組み合わせが議会全体を中道寄りにし、民主・共和両党の穏健派が力を強めるかもしれない。