米国では一般的に、政府の「ねじれ」状態は、民主党と共和党のいずれも有権者からの幅広い負託を得ておらず、極端な政策変更にはつながりにくいことから、株式市場には好条件と考えられている。先週の株式市場でそれは確かに歓迎された。大統領選を民主党のジョー・バイデン候補が制し、議会の上下両院の支配は共和党と民主党とに分かれるとの見通しから、S&P500種指数は7.3%上昇し、週間ベースでの上昇幅としては4月以来の大きさとなった。だが長期的に見れば、ねじれ状態が株式リターンに影響力を持つという見方にはほとんど根拠がない。1928年の選挙以降、大統領職・議会ともに1党による支配の期間とねじれ状態だった期間とを比べてみると、S&P500種指数の年間リターンには実質的にほとんど差がない。