ハイテク株ブームのおかげで、日本のハイテク複合企業ソフトバンクグループは1年のうちに地獄から天国へと駆け上った。ソフトバンクGが発表した7-9月期の純利益は6275億円。これは、米シェアオフィス大手ウィーワークの新規株式公開(IPO)が投資家から敬遠されたことを受け、ソフトバンクがウィーワーク株の評価損計上を余儀なくされた前年同期(7002億円)からの大幅な黒字転換だ。ソフトバンクG傘下のビジョン・ファンド(1号ファンドはほぼ1000億ドル=約10兆円、2号は50億ドル規模)は、7-9月期の投資利益が105億ドルと、2017年のファンド創設以来最高を記録した。中国の不動産仲介ベンチャー、貝殻找房(ベイク、KEホールディングス)のパフォーマンスが際立ったことが要因だ。貝殻找房は8月にニューヨーク市場でIPOを実施。それ以降、同社株価はほぼ4倍となっている。貝殻找房への出資は、外部投資家を持たないビジョン・ファンド2号に9月時点で約50億ドルの利益をもたらしている。
IT株ブームに乗るソフトバンク、アリババ頼りいつまで
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