――どのように緩和されたのでしょうか。

 2014年に初めて「桃山商事」として本が出せたり、メディアに取り上げられることが多くなったり、成果が出てきたという部分はあります。その頃、活動の方向性をメンバーとじっくり話し合ったことも大きかったです。売れるために恋愛指南役のようなポジションを目指すのか、あくまで自分たちが見聞きした話をベースに考察し、アウトプットしていく形を貫くのか…「桃山商事」としてやりたい活動は後者だと結論が出ました。話し合ったことで「この方針で今後も活動していける」と思えて、不安や焦りはなくなりました。

――「モヤモヤしたもの」を言語化して解決されたのですね。「力仕事=男性の役割」という考えについてはいかがでしょうか。

 荷物を運ぶこと自体は、性別関係なくできる人が担ったり協力したりすればいいと思っています。ただ、女性が力仕事をしているところで「男性なのに手を貸さない」と見られたり、「冷たい男性と見られたらどうしよう」というおびえから手を貸したりするのはジェンダーの問題だと思います。
 
「声をかけられなければ気を使いすぎなくていい。ただし、一人で運ぶのが無理なら、遠慮なく周りに声をかけていい」など、職場でガイドラインのようなものがあればいいですよね。相手がどう思っているのか分からないまま、イメージでコミュニケーションをとってしまうとすれ違いが生じるのではないでしょうか。

 これは「男性がデートでおごらなければいけないという風潮」とも関連していると思うのですが、おごらなかったらケチな男性だと思われるのが怖いから「おごらないといけないのかな」と考えてしまう部分もあると思うんです。デートしている相手がどう考えているのかではなく、自分が想定した女性像をもとに恐怖心からおごってしまうのは独り相撲のようですよね。

生きづらさ緩和のヒントは「内省」と「言語化」

――清田さん自身の男らしさの呪縛が緩和したのは、「桃山商事」の活動の影響が大きかったのですよね。どういった経緯だったのでしょうか。
 
 僕自身は小さい頃から少女漫画が好きで、いわゆる「男らしくない」男子だったんです。ですが、中高6年間を男子校で過ごし「弱音を吐けない」「面白いと思われるために変な行動をする」など、典型的な“男らしさ”を内面化していきました。でも、最初からそれが「男らしさの呪縛」だと認識していたわけではありません。